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特集 — 事実で追う ・ 戦後処理

戦没者遺骨収集とシベリア抑留

海外戦没者約240万人のうち、今も約112万柱の遺骨が帰っていない

第二次世界大戦で海外で亡くなった日本の軍人・軍属・民間人は約240万人にのぼります。このうち、今も約112万柱の遺骨が収容されていません(厚生労働省)。

終戦後、ソ連は日本の軍人らおよそ57万5千人をシベリアなどへ抑留し、極寒と過酷な労働の中でおよそ5万5千人が死亡したと厚生労働省は推計しています。生存者は1946年以降に順次帰還し、1956年の日ソ共同宣言を経て送還が進みました。

2016年に戦没者遺骨収集推進法が成立し、遺骨収集は「国の責務」と定められました。DNA鑑定による身元特定と遺族への返還が続けられていますが、当時を知る関係者の高齢化が進み、時間との闘いが続いています。

現在:海外戦没者約240万人のうち、なお約112万柱が未収容。政府は遺骨収集の集中実施期間を2029年度まで延長した。シベリア抑留の死亡者約5万5千人のうち、身元が特定されたのは2025年3月時点で約4万1千人にとどまる。

時系列

  1. 1945年8月

    終戦 — 海外に多数の戦没者と遺骨が残される

    第二次世界大戦の終結時、海外で亡くなった日本の軍人・軍属・民間人は約240万人にのぼり、その多くの遺骨が現地に残されたままとなった。

  2. 1945

    シベリア抑留が始まる

    終戦後、ソ連は日本の軍人らおよそ57万5千人をシベリアやモンゴルなどへ移送・抑留した。極寒と過酷な労働の中で、およそ5万5千人が死亡したと厚生労働省は推計している。

  3. 1946

    抑留者の帰還(引き揚げ)が始まる

    1946年以降、シベリアなどに抑留された人々の帰還が順次始まった。ナホトカなどを経由して日本へ送還された。

  4. 1952

    政府による戦没者遺骨収集事業が始まる

    政府(当時の厚生省)が海外の戦域での戦没者遺骨収集事業を本格的に開始した。以後、地域ごとに派遣・収集が続けられている。

  5. 1956年10月

    日ソ共同宣言 — 抑留者の送還が進む

    日ソ共同宣言が調印され、日本とソ連の国交が回復した。これを機に、なお抑留されていた人々の送還が進んだ。

  6. 1991

    旧ソ連側から抑留者に関する資料の提供が進む

    1991年以降、ロシア(旧ソ連)側から抑留中に死亡した人の名簿など、抑留者に関する資料の提供が進み、日本側の資料との照合による身元特定が行われるようになった。

  7. 2016年3月

    戦没者遺骨収集推進法が成立

    戦没者の遺骨収集を「国の責務」と定める法律が成立した(同年4月施行)。2016年度から2024年度までを遺骨収集の「集中実施期間」と規定した。

  8. 2019

    遺骨の取り違え問題が明らかになる

    シベリア抑留の死者の遺骨として収集したもののうち、16人分が日本人でないことがDNA鑑定で判明した。専門家の指摘後も公表されていなかったことが報道で明らかになり、厚生労働省が経緯を認めて検証が行われた。

  9. 2020年7月

    戦没者遺骨鑑定センターを設置

    厚生労働省が、遺骨の科学的な身元特定を担う「戦没者遺骨鑑定センター」を省内に設置した。

  10. 2022年9月

    DNA型鑑定を行うセンター分室を設置

    戦没者遺骨鑑定センターの分室が設けられ、DNA型鑑定を独自に行う体制が整えられた。

  11. 2023

    集中実施期間を2029年度まで延長

    改正された推進法により、遺骨収集の集中実施期間が2029年度まで5年延長された。新型コロナウイルスの影響で海外での収集が困難になったことを受けたもの。

  12. 2025年3月

    身元特定は約4万1千人 — なお112万柱が未収容

    シベリア抑留の死者の身元特定は累計で約4万1千人となった。一方、海外戦没者約240万人のうち、なお約112万柱の遺骨が未収容のままとなっている。

関連する法律・制度

  • 戦没者の遺骨収集の推進に関する法律(2016年成立・2023年改正)

    戦没者の遺骨収集を国の責務と定め、集中実施期間を規定した法律。2023年の改正で集中実施期間が2029年度まで延長された。条文は e-Gov で確認できる。

    e-Gov 法令検索

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この特集について
本特集は、政府公表資料・国会記録・報道をもとに編集部が事実を時系列で整理したものです(AIによる下書きを含む)。数値は厚生労働省の公表値に準拠しています。事実の誤り・訂正のご指摘は contact@factviewjapan.jp までお願いします。最終更新:2026-07-06