判定基準

「誰が、何を見て、なぜ左寄り/右寄りと判定したのか」。
FactView Japan の判定の仕組みを、限界も含めてすべて公開します。

このページに書かれた基準は、飾りではありません。 下の「AIが見る6つの観点」は、実際にAIへ渡している指示文と同一です。基準とシステムがズレたら、それは当サイトの誤りです—— お気づきの点は本ページ末尾の窓口までお知らせください。

1. 「右寄り」「左寄り」の意味について

本サイトにおける「右寄り」「左寄り」は、記事の真偽・品質・善悪を評価するものではありません。政治的・社会的な論点において、その記事がどの価値観や立場を相対的に強調しているかを示す便宜的な分類です。

右寄りが強調しやすい左寄りが強調しやすい
伝統・秩序・国家・安全保障・自己責任・市場重視平等・人権・多様性・福祉・再分配・権力監視

ただし、左右の意味は論点によって変わります。たとえば、安全保障・経済政策・憲法・歴史認識・移民・ジェンダー・労働・福祉・皇室・原発などでは、 同じ「右寄り」「左寄り」でも意味合いが異なる場合があります。 経済では再分配を重視する立場が左寄りとされやすい一方、安全保障では防衛力の強化が右寄りとされやすい—— というように、左右は1本の物差しでは足りません。そのため本サイトでは、単語だけで機械的に判定せず、 記事がどの論点を強調し、どの視点を中心に構成されているかを重視します。

右寄り・左寄りのいずれも、社会を見るための一つの視点であり、それ自体が良い・悪いという評価ではありません。問題となるのは、特定の立場を持つことではなく、重要な事実の省略、反対意見の無視、過度な感情表現、根拠のない断定などによって、読者の判断材料が偏ることです。

なお、本サイトにおける「中立」は、完全に偏りが存在しないという意味ではありません。左右どちらかの価値観を強く押し出していない、 または事実関係の整理を中心にしている状態を示します。 中立が「正解」で左右が「間違い」なのではなく、どれも報道の一つのあり方です。

2. バイアススコアとは

各記事に -2.0(左寄り)〜 +2.0(右寄り)のスコアを付け、5段階のラベルで表示します。 「左右」は善悪ではなく、報道の傾きの方向を示すだけです。

スコア範囲ラベル
-2.0 〜 -1.2左寄り
-1.1 〜 -0.4やや左
-0.3 〜 +0.3中立
+0.4 〜 +1.1やや右
+1.2 〜 +2.0右寄り

3. 誰が判定しているか(3つの層)

当サイトの判定には3つの層があり、どの層による判定かを必ず表示上で区別しています。

AI分析(記事単位)

表示例: やや左 -0.8

Claude(Anthropic社のAI)が、同じ出来事を報じる複数社の記事を並べて相互比較し、 下の「6つの観点」に沿って相対的な傾きを判定します。 1本の記事を単独で「左だ右だ」と決めつけることはしません—— バイアスは比較の中でしか見えないからです。

媒体基準値(~マーク付き)

表示例: ~やや右 +1.1

AIが記事を「ほぼ中立(±0.25未満)」と判定した場合、その媒体の 一般的な論調(編集部が各社の社説傾向・過去の報道傾向をもとに設定した基準値)で補完表示します。 このとき必ず ~ マークを付け、 「記事そのものではなく媒体の傾向による推定」であることを明示します。 各媒体の基準値と根拠はメディア一覧で全公開しています。

読者投票(準備中)

各記事に「← 左寄り / 右寄り →」の投票ボタンがありますが、現在サーバーでの集計は行っておらず、投票はお使いの端末(ブラウザ)にのみ保存されます。 表示される数字はあなた自身の投票だけです。 サーバー集計と不正対策の仕組みが整い次第、集計を開始し、 AI判定を補正する材料として組み込む予定です。 集計・反映を開始する際は、その計算方法をこのページに追記します。

4. AIが見る6つの観点

以下はAIへ渡している指示文そのものです(要約ではありません)。

  1. 見出しの語彙選択

    同じ事実にどの言葉を選んだか。例:「死亡」と「犠牲」、「容疑者」と「男」では読者の受ける印象が変わる。

  2. 扇動的・感情的表現

    「断固」「暴挙」「悲痛」など、事実の伝達を超えて感情を動かす言葉の使用。

  3. 論点の選択

    同じ出来事の中で、何を報じ、何を省いたか。強調と省略は最も見えにくいバイアス。

  4. 引用元・登場人物の偏り

    誰の声を載せたか。政府側だけ、被害者側だけ、専門家の人選など。

  5. 事実と意見の区別

    報道記事の中に書き手の評価・解釈が混ざっていないか。

  6. 反対意見・両論の併記

    対立する立場がある問題で、もう一方の言い分に触れているか。

5. 「事実」と「論調」を分ける

バイアスの可視化とは、「どの社が嘘をついているか」を探すことではありません。 各トピックでAIは、全社が共通して伝えている事実と、各社ごとの切り口(何を強調し、どんな言葉を選んだか)を分けて抽出します。事実は共有し、解釈は並べる——比較ページの3列表示もこの考え方に基づいています。

「論点くらべ」について

トピックページの「論点くらべ」は、AIがその出来事の主要な論点を挙げ、 各記事の見出しと配信要約にその論点が含まれているかを表にしたものです。判定しているのは「要約に含まれているか」だけです。 AIは記事の本文を読んでいないため、「−」はその論点が本文で扱われていないことを意味せず、 当サイトは「その社が論点を省いた」という判断はしていません。 含まれ方の傾きをどう解釈するかは、読者に委ねます。

6. この判定の限界(正直に)

  • AIは誤ります。スコアは統計的な参考値であり、記事の価値や真偽の判定ではありません。
  • 分析対象は主に見出しと冒頭の概要です。本文全体・紙面での扱い・写真の選択までは評価できていません。
  • 媒体基準値(~)は媒体全体の傾向であり、個々の記事や記者の傾向を意味しません
  • 「左右」という一軸は単純化です。争点ごとに立場が異なる媒体を1つの数字に要約する以上、必ず情報が失われます。

それでも中立を守るために、決めていること

完全な中立はあり得ません。だからこそ、偏りを持ち込まないための規律を自らに課し、公開しています。

  • 1.事実と論評を分ける。特集・解説でも、当サイトの意見は書かず、事実・時系列・一次情報だけを並べます。
  • 2.出典は検証可能な実在URLのみ。政府資料・国会記録・法令・各社報道など、読者が自分で確かめられるものだけを載せます。
  • 3.AIへの指示文を全文公開する。上の「6つの観点」は実際の指示と同一。基準を隠しません。
  • 4.AIの関与を明記する。AIが下書き・分析に関わった箇所は、その旨を隠さず示します。
  • 5.誤りは訂正し、記録を残す。異議を受けて訂正した場合、訂正した事実自体を消さずに訂正履歴に残します。

判定への異議・訂正依頼

「この判定はおかしい」と思ったら、根拠つきでお知らせください。確認のうえ訂正します。 訂正した場合はその事実を残します。

contact@factviewjapan.jp へ異議を送る

7. その他の判定基準

ギャップ指数:トピック内の記事スコアの最大差(bias_spread、0〜4.0)を0〜100に換算した値。メディア間の論調の開きを示します。

これから:「左/右」という1本の軸は入口にすぎません。読者にとって本当に大切なのは 「この記事は何を強調し、何を省いたか」です。今後は、左右とは別に「事実中心/批判中心/擁護中心/対立の強調/生活への影響/制度の説明/感情表現の強さ/一次資料の有無」といった観点で報道の見方を分解していく予定です。