特集一覧

特集 — 事実で追う ・ 戦後処理

日韓請求権協定をめぐる法的経過

1965年の協定から徴用工判決・第三者弁済まで、法的事実だけを時系列で

1965年、日本と韓国は国交正常化に際して日韓請求権協定を結びました。日本が無償3億ドル・有償2億ドルの経済協力を行い、両国と国民の間の請求権に関する問題は「完全かつ最終的に解決」されたと定めています(第2条)。

2018年、韓国大法院(最高裁)は、元徴用工の訴えを認めて日本企業に損害賠償を命じる判決を確定させました。日本政府は「協定に明らかに反する」として抗議し、両国の立場の違いが表面化しました。2023年には韓国政府が、韓国の財団が賠償相当額を支払う「第三者弁済」による解決策を発表しました。

本特集は、条約・判決・政府発表という法的・外交的な事実の経過のみを整理します。歴史認識に関わる評価には踏み込みません。

現在:日本政府は「請求権の問題は1965年の協定で完全かつ最終的に解決済み」との立場(外務省)。韓国政府は2023年発表の第三者弁済(財団による支払い)で対応する立場。両政府の立場の違いは残ったまま、財団による弁済が進められている。

時系列

  1. 1965年6月

    日韓基本条約と請求権協定に署名

    日本と韓国は国交正常化のための日韓基本条約と同時に、財産・請求権問題の解決と経済協力に関する協定(日韓請求権協定)に署名した。同年12月に発効した。

  2. 1965年12月

    協定発効 — 「完全かつ最終的に解決」と規定

    協定は、日本が無償3億ドル・有償2億ドルの経済協力を行うこと(第1条)、両締約国とその国民の請求権に関する問題が「完全かつ最終的に解決」されたこと(第2条)を定めている。

  3. 2018年10月

    韓国大法院が日本企業に賠償を命じる判決を確定

    韓国大法院は、元徴用工4人が新日鉄住金(現・日本製鉄)に損害賠償を求めた訴訟で同社の上告を棄却し、賠償を命じる判決が確定した。同年11月には三菱重工業に対する同種の判決も確定した。

  4. 2018年10月

    日本政府が抗議 — 「協定に明らかに反する」

    日本政府は、判決は日韓請求権協定に明らかに反し、日韓関係の法的基盤を根本から覆すものだとして「断じて受け入れることができない」と抗議した(外務大臣)。

  5. 2019

    日本が協定に基づく協議・仲裁を要請 — 韓国は応じず

    日本政府は協定の紛争解決手続きに基づき、政府間協議と仲裁委員会の設置を求めたが、韓国側は応じなかった。日本の外務大臣は談話で韓国の対応を「極めて遺憾」とした。

  6. 2019年2022月

    両国関係への影響が広がる

    判決の確定を受けて、韓国国内では日本企業の資産の差し押さえ・現金化に向けた手続きが進み、両国の外交・経済関係に影響が広がった。

  7. 2023年3月

    韓国政府が「第三者弁済」の解決策を発表

    韓国政府は、政府傘下の財団が民間の自発的な寄付などで財源を調達し、確定判決の原告に判決金相当額を支払う「第三者弁済」方式の解決策を発表した。被告の日本企業は財源の支出に参加しない枠組みとされた。

  8. 2023年4月

    財団による支払いが始まる

    韓国の財団による原告への支払い(第三者弁済)が始まった。受け取りへの対応は原告により分かれていると報じられている。

  9. 現在

    両政府の立場の違いは残る

    日本政府は「請求権の問題は1965年の協定で完全かつ最終的に解決済み」との立場を維持している。韓国政府は第三者弁済で対応する立場をとっている。関連する訴訟や弁済の手続きは韓国国内で続いている。

関連する法律・制度

  • 日韓請求権協定(1965年署名・発効)

    正式名称は「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」。経済協力(第1条)と請求権問題の解決(第2条)を定める。

    報道各社(検索)

一次情報で確かめる

この特集について
本特集は、条約・判決・政府発表という法的・外交的な事実の経過のみを、政府公表資料と報道をもとに編集部が時系列で整理したものです(AIによる下書きを含む)。歴史認識に関わる評価には踏み込みません。判決・談話・発表は「あった事実」として記載し、その当否は論じていません。日韓双方の政府見解は帰属を明示して併記しています。事実の誤り・訂正のご指摘は contact@factviewjapan.jp までお願いします。最終更新:2026-07-06