特集 — 事実で追う ・ 外交・領土
尖閣諸島をめぐる情勢 — 海保データで見る
中国公船の接続水域航行は年355日(2024年・国有化後最多)。数値で追う現状
尖閣諸島(沖縄県石垣市)の周辺海域では、中国海警局に所属する船舶の活動が続いています。海上保安庁は、接続水域での確認日数や領海侵入の状況を継続的に公表しています。
日本政府は「尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない」との立場をとっています(外務省)。一方、中国と台湾は1970年代以降、領有権を主張しています。本特集はこの主張の当否を論じず、公表された事実と数値のみを整理します。
2012年9月の国有化以降、中国公船の活動は常態化し、2024年には接続水域での確認が年355日と国有化後最多になりました。
現在:海上保安庁によると、中国海警局所属船舶は荒天の日を除きほぼ毎日接続水域を航行し、月に数回の領海侵入を繰り返している。2024年の接続水域確認は355日・連続216日でいずれも2012年の国有化後最多を更新した。
時系列
- 1895年1月
日本政府が尖閣諸島の編入を閣議決定
日本政府は、いずれの国にも属していないことを確認した上で沖縄県への編入を閣議決定した——というのが日本政府の説明である(外務省)。
- 1968
周辺海域に石油埋蔵の可能性が指摘される
国連アジア極東経済委員会(ECAFE)の調査で、東シナ海に石油資源が埋蔵されている可能性が指摘された。
- 1971
中国・台湾が領有権を主張
1971年、中国と台湾がそれぞれ尖閣諸島の領有権を公式に主張した。日本政府は「解決すべき領有権の問題は存在しない」との立場を示している。
- 1972年5月
沖縄返還 — 尖閣諸島も施政権下に
沖縄の本土復帰に伴い、尖閣諸島は日本の施政の下に置かれた。
- 2008年12月
中国公船が初めて領海に侵入
中国の海洋調査船2隻が尖閣諸島周辺の日本領海に初めて侵入した。
- 2010年9月
中国漁船衝突事件
尖閣諸島周辺の領海内で、中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した。船長が逮捕され、その後処分保留で釈放された。
- 2012年9月
国有化 — 政府が3島の所有権を取得
日本政府が魚釣島・北小島・南小島の所有権を民間の地権者から取得した。以後、中国公船の周辺海域での活動が大幅に増加し、常態化していく。
- 2019年2021月
接続水域での確認が年300日前後で常態化
海上保安庁の公表によると、中国海警局所属船舶の接続水域での確認日数は2019年282日、2020年333日、2021年332日と、ほぼ毎日の航行が常態化した。
- 2021年2月
中国で海警法が施行
中国海警局の権限などを定める中国の海警法が施行された。武器使用に関する規定を含み、日本政府は懸念を表明した。
- 2024
接続水域確認 355日 — 国有化後最多を更新
2024年の接続水域での確認日数は355日、連続確認日数は216日となり、いずれも2012年の国有化後の最多・最長を更新した(海上保安庁)。
- 現在
ほぼ毎日の航行と、月数回の領海侵入が続く
海上保安庁によると、中国海警局所属船舶は荒天の日を除きほぼ毎日接続水域を航行し、月に数回の領海侵入を繰り返している。海上保安庁が対応を続けている。